売れる商品の作り方を調べているあなたへ。
時間をかけて、良い商品を作った。自信もある。——なのに、売れない。

もしそうなら、原因は商品の質ではなく、“作る順番”にあるかもしれません。売れる商品の作り方は、順番が9割です。

「作ってから売る」が、いちばん危ない

昔は、良いものを作れば、売れました。でも今は、モノがあふれ、人の好みもバラバラ。何がヒットするか、プロでも予言できません。

それなのに、多くの人は、自分が”売りたいもの”を一生懸命作って、それから売ろうとします。——実は、これがいちばん危ない順番です。

お金と時間をかけて、豪華なものを作りあげた。なのに、誰も買わない。かけた時間もお金も、戻ってきません。

売れる商品の作り方は、”売れると分かってから作る”

順番を、逆にします。先に、市場に問う。「これ、欲しいですか?」と、小さく聞いてみる。

予算をかけず、告知だけ先に出す。数人に相談する。アンケートで聞く。小さく試して、“欲しい”が分かってから、本気で作る

この「小さく試して、確かめてから作る」やり方には、名前があります——「リーンスタートアップ」です。

📖 用語解説 「リーンスタートアップ」とは?

アメリカ・シリコンバレーで、起業家エリック・リースが体系化した起業の理論です(2011年の著書『リーン・スタートアップ』で世界に広まりました)。

リーン(lean)=「ムダがない」「引き締まった」という意味。もとはトヨタの”ムダをなくす”ものづくりを、起業に応用したものです。
イメージするなら——必要最小限の筋肉で、素早く動く、ボクサーのような起業。

お金と時間という”命(リソース)”を守りながら、小さく試して、成功の確率を上げていく。大企業でも、一人の起業でも——すべてのスタートアップに当てはまる”起業の原理原則”とされています。

ひとことで言えば——
起業は、ギャンブルじゃない。科学的な”実験”だ。

同じ努力でも、”順番”で結果が変わる

✕ よくある順番:作ってから売る

アイデア
▼ 時間もお金も、たっぷりかけて
いきなり完成させる
▼ そして、売る
売れない… → 全部ムダに

◎ 小さく試してから作る順番:売れると分かってから作る

アイデア
▼ まず小さく聞く「欲しい?」
反応を見て、学ぶ
=これが「リーンスタートアップ」
作る→試す→学ぶ を小さく回す
▼ ”欲しい”を確認できたら
本気で作る
売れる

私が「これ、お金をいただいていいの?」と思った話

もともと私は、法人のWeb制作を担当していました。

あるビジネスコミュニティで、何気なく「ホームページを作っていました」と伝えたときのこと。返ってきたのは、思いがけない一言でした。

「情報発信用のホームページを、作ってください」

正直、戸惑いました。
(え……WordPressでいいなら、サーバーでボタンをポチッと押せばできるのに。お金をいただいていいのかな?

自分にとっては、あまりに当たり前のことだったのです。

でも、話を伺ってみると——
用語がわからない」「Webが苦手」「やりたくない」。だから、お金を払ってでもやってほしい、と。

そうか。個人のホームページって、こんなに喜んでいただけるんだ。
しかも情報発信用なら、その方の財産になるように作れば、お客様との出会いが生まれるかもしれない。

話を通して、自分が”求められているサービス”が分かった出来事でした。そこから、情報発信用のホームページを受注する流れができていったのです。

ここで大事なのは——私は、何も作っていないということ。

ただ「できる」と話し、相手の話を聞いた。それだけで、“欲しい”が分かった。
そして自分の”当たり前”は、誰かの”欲しい”だった——これは、作る前に聞かなければ、一生わからなかったことです。

まず、”仮説”を一文にする

小さく試す前に、やっておくことがあります。今考えているビジネスを、一文にしてみるのです。

私のビジネスは、
( 誰 )( どんな悩み )で困っているのを、
( どんな方法 )で解決し、
その人は( なぜ )だから、お金を払ってくれるはずだ。

書けたら、ご自分に聞いてみてください。

——これは、”事実”ですか? それとも”仮説”ですか?

ほとんどの場合、これはまだ仮説です。確かめていないのだから、当たり前。
ところが多くの人は、これを“事実”だと思い込んだまま、時間とお金をかけて作り始めてしまいます。

起業の成功を阻む、最大の原因は「思い込み」です。一文にして「これは仮説だ」と認めた瞬間から、確かめる作業が始まります。

では、どうやって”欲しい”を確かめるのか——MVPという考え方

「売れると分かってから作る」。——じゃあ、どうやって”分かる”のか。
その答えが、MVPです。

📖 用語解説 「MVP」とは?

MVP=Minimum Viable Product(実用最小限の製品)。リーンスタートアップの中心にある考え方です。

かんたんに言うと——お客様が「欲しい/欲しくない」を、イエスかノーで判断できる、最低限のサービスのこと。
立派に作り込む必要は、ありません。価値が伝われば、それでいい。

こう問うてみてください。

「もし今すぐ、予算0円で、明日までに、誰かに試してもらうとしたら——何をするか?」

個人事業なら、無料の個別セッションや、1dayセミナーが、それにあたります。完成を待たない。最小限で、まず外に出す。

✔ これ以上、削れないか?

✔ 触った人から、本音の感想が、もらえるか?

こわいのは”失敗”ではなく、”学習が止まる”こと

実験を繰り返す、と言うと——「でも、失敗がこわい」。そう感じるかもしれません。
だから、”失敗”を定義し直します。

失敗とは、”学習が、止まる”状態のこと。

結果が出ないのは、失敗ではありません。「この方法は、ニーズがない」と分かった=学習が増えた、一歩前進です。

そして——NOと言われることは、貴重なデータ。「なぜNOだったのか」を聞けば、お客様の本当のニーズが見えてきます。
もし最近、NOと言われた経験がないなら。それは、検証が足りない証拠かもしれません。

元Facebook COO・シェリル・サンドバーグの有名な言葉があります。

「Done is better than perfect」
——完璧を目指すより、まず終わらせろ。

ここでいう”終わらせる”は、「完成させる」ことではありません。「お客様から、フィードバックをもらえる状態にしておく」という意味です。

完璧を目指して抱え込み、一年が経つ。——それより、60点で出して、市場に問う。早く学んで、成功への教訓を、安く手に入れる。

今日の、具体的な一歩

作りたい商品を、今日はまだ作らないでください。代わりに、この問いに答えてみてください。

 もし予算0円で、明日までに誰かに試してもらうなら、何をしますか?

 それを、理想のお客様ひとりに「こんなの、あったら欲しい?」と聞くとしたら、誰に聞きますか?

 その人に、今日、連絡できますか?

まずは今日、たった一人に聞く。“欲しい”の声が集まってから、作り始める。
それが、売れる商品の作り方の第一歩です。

この記事では「商品をつくるとき」の実験をお伝えしました。同じ考え方を日々の行動すべてに広げる方法は、こちらです。
起業で結果が出ないとき|管理するのは”結果”ではなく”行動と施策”

そもそも「何を商品にすればいいか」で迷っているときは。
起業したいけど売るものがない──種は”いちばん長くやってきたこと”にある

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